【ツミデミック】の意味は？あらすじを解説！

『ツミデミック』とは「罪」と「パンデミック」からなる言葉で作者の一穂ミチさんが考案した造語です。

ツミデミックは6つの物語からなる短編小説！

私たちが経験したコロナ禍という特殊な状況で、人びとが直面する「罪」や「葛藤」などをリアルに描いた物語です。

各短編のあらすじやレビューを交えながら『ツミデミック』が直木賞を受賞した理由を深堀していきます。

また、初めて作品を読む方にオススメなポイントもご紹介しながら『ツミデミック』の世界を解説していきますよ！

では、順番に説明していきましょう！

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ツミデミックのタイトルに込められた意味は？どんな小説？

真っ赤な表紙が印象的な『ツミデミック』はコロナ禍という特殊な状況下で普通に暮らしていた人びとが直面する罪や葛藤を描いた作品です。

コロナ禍で先が見えないというパンデミックの初期から後期までを6つの物語に分けて描かれています。

私たちが2020年に直面したコロナ禍はマスクが高額で取引され、マスクでお互いの顔も分からず、マスクの着用を監視し人と接するのも避け不安に暮れた日々でしたよね。

いままでに経験したことのない日常に潜む人間の本性とは･･･

そしてコロナ禍で人はどう変化していくのかをリアルに描いています。

さて『ツミデミック』についてもう少し詳しく言葉の意味を紐解いていきましょう。

ツミデミックとは「罪」と「パンデミック」をかけ合わせた言葉

『ツミデミック』は作家の一穂ミチさんが考えた造語です。

コロナ禍の緊急事態宣言下では、これまでになかった種類の犯罪が生まれました。

例えば6つの短編集のなかにある「持続化給付金を巡る詐欺の話」は、こんな状況でも人を騙すのかと驚きを隠せませんでした。

「ツミ」は人間が抱える罪、これが「パンデミック」という社会的混乱と交わることで通常では見えなかった人間の本質や心理状態があからさまになります。

ツミデミックは「直木賞」受賞作

『ツミデミック』は第171回直木三十五賞を受賞しました。

ツミデミックの作者は「一穂ミチ」さん

ツミデミックの作者一穂ミチさんについてプロフィールを簡単に説明していきましょう！

「一穂ミチ」はペンネームだそうです。

代表作になっている『スモールワールズ』は静岡書店大賞、吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。

家族という小さな世界に潜む歪んだ姿を全く内容の違う6つの短編で綴り少しづつ繋がっていく不思議な物語。

最後まで読むとまた最初に戻って読みたくなる独特の世界観ですが、6つの短編集と聞くと『ツミデミック』とも通ずる感じがありますね。

ツミデミック「6短編のあらすじ」を簡単にご紹介！

ツミデミックは6つの短編で構成されておりページ数は276頁なので、なんと1作品約40頁ほどで読めてしまいます。

それぞれ独立した短編小説なので気になった作品から読み進めることができますよ。

では1話毎にあらすじを簡単にご紹介していきましょう。

あらすじ➀「違う鳥の羽」

大学を中退し夜の街で客引きをしている青年はコロナで客足が減り不安な日々を過ごしています。

ある日バイト中に声を掛けられた女性は中学時代に死んだはずの同級生の名前を名乗ります。

青年は過去の罪に囚われ当時の記憶と向き合うことになるのです。

心理描写がとても功名で少しゾクっとくるようなミステリー要素も含んでいる作品です。

あらすじ②「ロマンス☆」

高圧的な夫と子育てでストレスを抱える主婦がフードデリバリーのイケメン配達員とすれ違います。

彼にもう一度会いたい一心で夫に隠れてガチャ感覚でフードデリバリーを頼み続けた結果、家庭が崩壊し自身が壊れてゆく過程が描かれています。

まさに異常とも言える執着心が及ぼす狂気や平穏な家庭生活の闇をえぐるような作品です。

あらすじ➂「憐光」

15年前の豪雨に死んだ少女が幽霊となりコロナ禍の現代に戻ってきました。

そして過去の真相を知り自分が犯した罪を知ります。

幽霊になって知りえた罪の代償が浮き彫りに描かれている作品です。

あらすじ④「特別縁故者」

長年働いていた飲食店から解雇され無職となった男は、近所に住む偏屈なお年寄りが大金を持っていることを知ってしまいます。

なんとかその財産を得ようと策略を図ります。

社会的な閉鎖が、どのように隣人との関係性へ影響を与えるのかが浮き彫りにされた作品です。

あらすじ➄「祝福の歌」

高校生の娘が妊娠し暗雲が立ち込める家庭、父親は頭を抱えて悩みます。

そんな折、隣人の妊娠に関して秘密が浮かびあがってきました。

家族の絆や生きる力がリアルに描かれていてラストは心が温まるような感動を覚えます。

あらすじ➅「さざなみドライブ」

SNSで知り合い出会った男女5人にはある共通点がありました。

それはパンデミックによって人生をこわされたことです。

集団自殺を決意しドライブに出る物語で、それぞれが抱える絶望とそこから見出す希望が描かれています。

ツミデミックの魅力と読者の反響

パンデミックの影響で「制限された生活」を誰も強いられ、先が見えず不安になることが多かったように思います。

ツミデミックは社会的に孤立してしまったり失業するといったリアルな問題が起こるなか、登場人物たちが罪を犯し問題と向きう様子が描かれています。

私たちは小説を読みながら恐怖と希望を交互に味わうことになります。

ではツミデミックの読者を惹きつける魅力とSNSでの反響をみてみましょう！

もう一度読み返したくなる作品

ツミデミックの最大の魅力は読み終わったら最初からもう一度読み直したくなる作品だということです。

異なる6つの短編はすべてが殺伐とした結果で終わるワケではありません。

最初は暗い話ですが終盤は徐々に新しい希望や再生の可能性が描かれており、まさにコロナ禍の初期から末期にかけて意図的に構成されている様に思います。

6つの短編は異なるジャンルのため飽きずに読み進めることができ、どの作品も強く印象に残ります。

人が抱える不安や孤独感、特にコロナ禍で社会的孤立が引き起こす心理や家族が崩壊していく様は共感を覚える読者も多いのではないでしょうか。

SNSのレビュー評価は高い

コロナ禍がもたらした人の罪や人間関係がテーマなだけに読者のみなさんも興味を持って読まれたようですね！

作者一穂ミチさんのファンの方は前半3作品のダークな話を好み、直木賞受賞作なので読んでみたという方は後半3作品の希望が持てるような明るい物語を好む傾向にあるように感じました。

特に「特別縁故者」と「祝福の歌」が好きという声が多かったです。

私は個人的に「ロマンス☆」がゾクゾク感があり好きですね。

フードデリバリーや夫婦の不仲など着眼点が素晴らしいと思いますし、一線を超えてしまう人と踏みとどまれる人もいるなかで狂気に落ちてしまう主人公に衝撃を覚えました。

そして便利だから普段使いしているデリバリーですが正直怖いなと思いました。

日常の見逃してしまいそうなことを切り取って題材にしているので、読んでいて主人公を自分に置き替えたり考えさせられる作品でした。

『ツミデミック』の魅力やSNSでの反応を見てきましたが読んでみたくなった方もいるのでは？

さて次は、まだ読んでいない方向けにおすすめポイントと『ツミデミック』が読める電子アプリをご紹介します！

初心者でも読みやすい？推しポイントと読書アプリをご紹介

さて『ツミデミック』をまだ読んでいない方にこそオススメしたいポイントと読書アプリをご紹介していきます。

実は私、ツミデミックを読んでみようとに図書館へ行ってきました。

なんとすでに予約待ちが40人以上の順番をついていて職員さんに尋ねると本を借りられるまでに半年以上掛かりそうだとか･･･。

そんなに待ってられないので借りるのを諦めたのですが受賞直後でその状態でしたから、今はもっと順番待ちかもしれませんね。

もちろん本屋さんや電子書籍を購入すれば一番いいのですが、どんな作品か分からないときはお試してから購入したいとおもいませんか？

では『ツミデミック』が初心者の方でも読みやすい理由と、オススメの読書アプリをご紹介していきますよ。

独立した短編小説だから読みやすい

ツミデミックが初心者の方でも読みやすい理由をまとめてみました！

長編小説とは違うのでサクサクと読めてしまいます。

また6つの作品がすべて異なるテーマのため新鮮な気持ちで読み進めていくことができるのです。

どんどん興味が増してきたところで私がオススメする「ツミデミック」の読み方をご紹介しましょう！

ツミデミックを読むなら「Audible」がオススメ！

ツミデミックは主要な電子書籍プラットフォームで購入することができます。

でも私が推すのは「Audible」です！

いわゆる音読アプリですが、プロの声優さんが読んでくれるので感情移入もしやすく惹きこまれていきます。

ちょっとしたスキマ時間に聴けるのもオススメです。

Audibleは30日間の無料体験があるので、アプリをダウンロードしてすぐに無料で『ツミデミック』を楽しむことができます！

耳で聴く『ツミデミック』はナレーションがとても聴きやすく登場人物の声色がそれぞれ違い、本当に1人で朗読しているのかと思うくらい表情が変わります。

活字で読むのが苦手な方はもちろん、既に読んだ方にもオススメですよ。

ツミデミックの意味は？あらすじを解説！まとめ

『ツミデミック』についてご紹介してきましたが、今までのまとめをしましょう！

直木賞受賞作というと難しそうなイメージもありますが、ツミデミックは各短編で異なるジャンルと視点で描かれているので飽きずに読み進めていくことができます。

パンデミック下にあった社会問題をリアルに描いているので共感しやすい作品でもあります。

各短編のあらすじの要点を以下にまとめてみました。

このように『ツミデミック』は様々なジャンルから成る短編小説として多くの方にオススメできる作品です。

興味を持った方は、ぜひ手にとってみてください。

ここまでお読み頂きありがとうございました。

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